VAIO® AR

2015年5月

事業概要

VAIO ARは、VAIO株式会社から発売された「VAIO® Z Canvas」の新作発表に合わせて作られた、スマートフォン向けのARアプリケーションです。 アプリを起動して、イベント会場で配布されたVAIOカードにかざすと、実物大の「VAIO Z Canvas」がARで表示されます。 なお、このアプリケーション自体も、「VAIO Z Canvas」を使って制作されました。

アプリケーション紹介

VAIOカード、モネの「日傘の女」があしらわれています。

アプリをかざすと、演出が開始されます。古典的なタイポグラフィ表現でも、ARアプリで見ると面白いです。ARで表示する、という過程も、演出で期待感を煽ります。実物大の「VAIO Z Canvas」が登場。実物大で表示することで、自分のデスクの上にも「VAIO Z Canvas」が置かれている様子を想像することができます。と、ここまでは、ふつうのARを使ったプロモーションアプリと一緒ですが、実はARで表示されている「VAIO Z Canvas」に少し仕掛けがあります。

左下のアイコンか、キーボードのWindowsキーを押すとメニューが表示されます。ARの「VAIO Z Canvas」上で絵が描けます。メモも取れます。(タイピングはARのキーボード部分をタップ)ミニゲームも遊べちゃいます。

アプリケーション開発のポイント

VAIO ARのアプリケーション開発では、実は特筆すべき技術は使われていません。今回のアプリケーション開発における、一番のポイントは、企画部分にあります。

ふつう、アプリケーションを作るときには、使う人にわかりやすく、誰でも迷わないように、言うなれば「親切に」設計されますが、今回のVAIO ARでは、あえてその逆をいくことで、面白さに繋げています。この判断は、ふつうの企画であれば、なかなか難しいものでしょう。VAIO ARを起動しても、何もアクションを行わなかった人にとっては、ただARで実物大で表示されるだけ、というものになってしまい、興味をもってくれた方に十分な体験を届けられないリスクに直結します。このプロジェクトは、VAIOファンに向けたイベントに合わせて企画されたものだったので、そもそもファン層に届けられること、ユーザーのリテラシー、ファン内の情報拡散など、さまざまな要因を考慮したうえで、あえての「不親切設計」に踏み切りました。その分、「もしかして……」と触ってくれた人には、その期待に応えて、「もっと触ってみたい」と思わせる作りに仕上げられたのではないでしょうか。

VAIO ARでは、AR表示された「VAIO Z Canvas」をタップ操作することで、さまざまなミニアプリがAR上で体験できますが、ひとつひとつのミニアプリ自体は、そこまで作りこんだものではありません。もちろん、すべてを作りこむことができれば最高なのですが、やはり期間の限られたプロジェクトである以上、「量か、質か」の選択には迫られます。VAIO ARのケースでは、作りこまれたミニアプリ1つより、少し雑であっても3つのミニアプリがあった方が、アプリを使った人に「もっと触ってみたい」と感じていただき、喜んでいただけるのではないか、と考えて、「量か、質か」という問題に対して、明確な方針をもって制作をさせていただきました。

まとめ

VAIO ARの制作は比較的短期間だったものの、イベントでご紹介させていただいた際には、ユーザーの皆様から「無駄に頑張りすぎ」、「変態」などと、たくさんのお褒めの言葉をいただきました。ARのプロモーションアプリというと、どうしても表示するCGそのものに注目してしまいがちですが、アプリを通した「体験」に注目して設計することで、ユーザーの期待を良い意味で裏切ることができたのではないでしょうか。

このお仕事をくださっただけでなく、イベント前日の夜までミニアプリの追加を許可してくださったVAIO株式会社さまに、この場をお借りして御礼申し上げます。もちろん、A440メンバーは全員「VAIO Z Canvas」を使用しています!

(Yuichi NISHIZAWA)

「VAIO Z Canvas」の詳細はこちら:
http://vaio.com/products/z_canvas/