「立動アプリ」「MIYAKE ISSEY展オーディオガイド」

事業概要

「立動アプリ」「MIYAKE ISSEY展オーディオガイド」は、国立新美術館で2016年3月16日~6月13日に行われた「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」展覧会向けのアプリケーションです。
「立動アプリ」は、美術館やISSEY MIYAKE各店舗で配布された、展示会の告知チラシを使った展覧会PR用のアプリです。アプリを起動して、チラシにかざすと、ARでトルソーが登場し、キービジュアルの服を着用する仕掛けになっています。
「オーディオガイド」は、展覧会場内で展示物を鑑賞しながら音声ガイドを聞くことはもちろん、アプリストアでリリースすることで、持ち帰れるガイドとして開発をいたしました。
どちらのアプリケーションも、アプリ内デザインは佐藤卓事務所様にご協力頂きました。

アプリケーション紹介

「立動アプリ」

「オーディオガイド」

アプリケーション開発のポイント

「立動アプリ」

チラシにある一見服に見えない服が、どのように展開されて着用できるのかという部分をARで表現することで、展覧会の認知はもとより、そのような服が数多く展示される会場に、直接脚を運んでいただきたいという願いを込めて開発いたしました。

服のリアリティを追及する為、パターン(型紙)からCGモデルを作成し、服の動きをシミュレーションできるソフトを用いました。 これにより、布のたわみや柔らかさ、滑らかな動きを、360度正確に表現することができます。

今回、着用する様子をアニメーションした服は、「132 5. ISSEY MIYAKE」の一着です。通常、洋服は、体に添わせて裁断した複数のパーツを縫い合わせることで形を作ります。「132 5. ISSEY MIYAKE」の服は、一枚の長方形の布を、裁断することなく折りたたむことで形を作るという、洋服としてかなり特殊な構造をしているものでした。

服のCGモデルを作成したソフトは、当然布のシミュレーションに長けているとはいえ、この特殊な構造に対応できるつくりになっていませんでした。ソフトが苦手とする多数の折りたたみ部分を、絶妙なパラメータ設定でコントロールし、本物と同じ構造を維持したまま、手で持ち上げるしぐさに合わせたシミュレーションを実行、本物さながらのリアリティを再現できました。

服のCG・動きのシミュレーションが完成した後も、そのデータをモバイル端末でリアルタイムに再生することが大変でした。クロスシミュレーションをモバイル端末で再生すること自体に前例が無かった為、トライアンドエラーの繰り返しをしました。試行錯誤の末、ようやくモバイルで再生ができるようになり、いざプレリリースとなった時にも、データ量が重く、Wi-Fi環境でなければアプリのダウンロードに非常に時間がかかってしまう状態でした。さらなる試行錯誤により、何とかアニメーションのクオリティを維持しつつ、データを軽減することに成功、お客様にお届けできることとなりました。

「オーディオガイド」

幅広い年齢層のお客様、海外のお客様にも使っていただけるように、とにかくわかりやすく使いやすいことにこだわって制作しました。製作期間が短い中、関係者の緊密な連携により、シンプルで使いやすいアプリを作ることができました。

まとめ

服飾業界との取り組みであったこと、布のシミュレーションという技術的な困難に挑戦したことなど、A440として初めてが非常に多く、本当に着地できるのかと最後まで考えることが多いプロジェクトでした。展示会の会期までに両アプリとも無事リリースできましたのも、関係者様のご協力あっての事です。この場をお借りして、御礼申し上げます。

(Atsuko KAMIOKA)